仙台の事を知るにはちょっとしたコツがあります。 1つには、当然ですがサトイモの生産が盛んであったことが挙げられます。サトイモはかつて、米の不作に備えて生産されていました。米の不作に備えて、ということは米を生産する地域こそサトイモに頼る機会が多かった、ということであり、仙台やその周辺といったコメどころは、自然とサトイモを生産する量が多かったのです。芋をメインとしたイベントが催されるのは、こうした事情もあったのではないでしょうか。
乱暴な言い方ですが、芋に頼ることがなかったため、他地域と同様の芋煮会はなかったといわれます。芋だけではなく、キノコなどの山菜を主役とするもの、川で取れる魚をメインにするものもあり、要するにその地域ならではの特産物が主役にあることが多いということ。芋煮会とはただ単に芋を主役とした食事会ではなく、そうした秋の風物詩を指す名称だと考えるといいでしょう。芋煮会という名も、そもそもはこの辺りや新潟や関東などで芋煮会、そしてそこで振る舞う食事を芋煮と呼ぶことから、この名が定着しました。
料理の特徴としてはサトイモのほかに豚肉なども使う、言わば豚汁的なイメージ。芋煮になじみがない人でも、この地域の芋煮ならばすんなりと受け入れられるのではないでしょうか。東北に近い関東の栃木県でもこうした芋煮はポピュラーな食べ物で、地域の人数差を考えれば最もよく知られている芋煮、といってもいいかもしれません。山形県の最上川を中心とした地域も、味噌と醤油をあわせ、肉も豚肉を使うこともあれば牛肉を使ってすき焼き風にすることもあり、より独自色が濃くなっています。